[主な“外部脳”としてnoteを使用しているため、こちらにはnoteから転記した文章が多くなる。もう一つの保存場所というようなイメージ]
プロフィール
HN:
Wahrheit
年齢:
35
性別:
非公開
誕生日:
1990/07/22
自己紹介:
観測・収集・編纂・断章。非ロマン思想と、ロマン的表現の両立。JubelとÜbel。精神的環世界説。
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司祭は今日も口にした。嗚呼、神よ、どうか私をお赦しください、と。司祭はそう口にするたび、喉の渇きが癒えるような感覚をおぼえた。
すると司祭は、今日は随分ほっとして、聖堂の門をくぐり、町へと飛び出して行った。少し歩調を早めて歩く司祭の耳に、路地裏から女の悲鳴が飛び込んだ。男たちの乱暴な声も入り混じっていた。
然し、司祭は何もできなかった。路地に立ち入ることもなく、その場に立ち尽くし、ロザリオを握りしめて祈るだけだった。
次の日も、司祭は口にした。嗚呼、神よ、どうか私をお赦しください、と。その祈りが、毎日毎日、司祭と誰かの罪を運んだ。司祭はもう、町へ繰り出すことはなかった。女神をかたどった像の前で、あの日の悲鳴の主を思い浮かべ続けるだけだった。
ある日、聖堂に一人の女が訪れた。然し司祭は、女が入ってきたことに気づくこともなく、祈りを捧げ続けていた。司祭には最早、目も耳もなかったのだ。四肢もまた、祈りのための器でしかなかった。
ある日、聖堂に一人の女が訪れた。然し司祭は、女が入ってきたことに気づくこともなく、祈りを捧げ続けていた。司祭には最早、目も耳もなかったのだ。四肢もまた、祈りのための器でしかなかった。
「嗚呼、神よ、どうか私をお赦しください」声はいつまでも、聖堂の空間にこだましていた。
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